STEP 3
大河と文明
メソポタミア文明,エジプト文明,インダス文明,中国文明。有名どころの文明はどれもこれも大河のそばに発展しています。
- メソポタミア文明:ティグリス川・ユーフラテス川
- エジプト文明:ナイル川
- インダス文明:インダス川
- 中国文明:黄河・長江
「メソポタミア」に至ってはそもそも「二つの川の間」という意味で,ティグリス川とユーフラテス川の間にあったと名乗ってます(「ティグリス・ユーフラテス川」という一本の大河ではありません)。“名は体を表す”です。
じゃあ,なぜ文明は大河のそばに発展したのでしょう?
答えは「灌漑農業をするのに大量の水を必要とするから」です。
川から水を引かず,雨水に頼る農法を「天水農法」「乾地農法」といいます。作物を育てるうえで必須の水は天頼み。雨が降らなければアウトですね。それじゃあ,作物の生産量は安定しません。数千人・数万人単位の人間は養えないわけです。
一方,川から水を引く農法を「灌漑農業」といいます。水を安定供給できますから,作物の生産量は安定し(十分な農業生産力),数千人でも数万人でも養えます。そうなれば,さまざまな地域からそこに人が集まるようになるので,巨大な都市が生まれます。
数千人・数万人が暮らす都市が生まれれば,それだけの人を束ねるリーダーが必要になります。それに,もともと住んでいる人とあとから来た人の間に格差も生まれることでしょう。こうして,支配者のグループ(たぶん少数)と被支配者(残り全部)が生まれるわけです。権力の誕生ですね。
ここまで来たら,人の流入とともに技術も知識も集まるので,高度な冶金術や完成度の高い文字体系が生まれるのも時間の問題です。
文明の条件は,
①都市(城壁を備えたものがベスト)
②文字体系
③冶金術(青銅器や鉄器)
④権力(巨大な神殿や宮殿)
⑤農業生産力(灌漑農業)
②文字体系
③冶金術(青銅器や鉄器)
④権力(巨大な神殿や宮殿)
⑤農業生産力(灌漑農業)
というわけで,大河のそばに文明が発展するわけです。
(つづく)
イラストは,いらすとや(http://www.irasutoya.com/)さんのフリー素材を使わせていただいてます。
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